静かな浅草と、香りが寄り添った春

浅草の町が、いつもより静かになった春。

観光客の姿も少なくなり、
仲見世通りを歩く風の音が、いつもよりはっきりと聞こえるほどでした。

店の扉を開けて香炉に火を入れると、
伽羅や沈香の深い香りが、静かな空気の中にすっと溶け込んでいきます。

この頃は、
「家で過ごす時間が増えたので、香りを試してみたい」
「落ち着ける香りが欲しい」
そんなお問い合わせを多くいただくようになりました。

外の世界が不安定でも、
香りを焚くと、心の奥にふっとあかりが灯るような感覚が生まれます。

香煙がゆっくりと立ちのぼり、
内側のざわつきが静かに整っていく——
そんな時間が、誰にとっても必要だったのだと思います。

この春、香りが持つ “寄り添う力” を、
これまで以上に深く感じた季節でした。

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