春の光がやわらかくなる頃、
大内山香堂では、
千葉県にある老人ホームへ
小さな「匂い袋」を寄付いたしました。
年齢を重ねると、
視覚や聴覚よりも早く、
“香り” が心の奥まで届くことがあります。
記憶を呼び起こしたり、
気持ちを落ち着かせたり、
ふと笑顔を生むこともあります。
今回お届けした匂い袋には、
白檀を中心に、桂皮や丁子、龍脳など
穏やかに広がる天然香料を少量だけ合わせ、
強く主張せず、
そっと寄り添う香りに仕立てました。
手のひらに収まるほどの
小さな袋ですが、
受け取った職員の方々から
「部屋の空気がやわらいだように感じる」
という言葉をいただき、
香りの穏やかな力を
あらためて感じました。
大きなことはできませんが、
心がふっと軽くなる
ささやかな香りを
これからも届けていければと思います。