夏に入っても状況は落ち着かず、
医療の現場では、多くの方が休む間もなく働き続けておられました。
浅草の店に立ちながら、
「香りにできる小さなことは何だろう」
と考える日が、自然と増えていきました。
香りは病気を治すことはできません。
けれど、張りつめた心をそっと緩め、
深い呼吸へ導く “静かな力” を持っています。
そこで今月、
医療従事者の皆さまへ向けて、
白檀と沈香を用いた小さな香り袋を 200 名分、
ささやかではありますが寄付させていただきました。
特別な道具がなくても、
ポケットに入れてそっと手に取るだけで、
ふわりとやさしい香りが立ち上がるように仕立てています。
強い香りではなく、
疲れた心に負担をかけない、
落ち着いた穏やかさだけを残すために。
短い休憩時間や、帰宅途中、
「少し深呼吸したい」と思った、ほんの一瞬が
少しでもやわらかい時間になりますように。
大きなことはできませんが、
香りが誰かの一日にそっと寄り添うなら——
それだけで十分だと思っています。