新しい年が始まりました。
浅草の街はまだ静まり返っていますが、
冬の冷たい空気の中で焚いた白檀の香りが、
ふっと心にあたたかい火を灯してくれるように感じます。
今年最初に火を入れたのは、
静けさの中に凛とした気配を持つ沈香でした。
煙が細く立ちのぼるのを見ていると、
「焦らなくていい」
「少しずつでいい」
そんな声を、香りがそっと教えてくれるようです。
昨年は思い通りにいかないことも多く、
誰もが心のどこかで緊張を抱えていた一年だったと思います。
だからこそ今年は、
自分の内側を整える時間を、少しだけ大切にしていきたい。
香りは、
大きな決意を求めることも、
派手な変化を約束するものでもありません。
ただ、
そっと心に寄り添い、
揺れた気持ちを静かに元の場所へ戻してくれる——
私はその力を信じています。
本年も、香りとともに、
皆さまの心が穏やかでありますように。
静かに、あたたかく、
ここからまた歩き始めます。